患者さんから聞く「それは医学の常識と正反対ですよ」シリーズです。
患者さんと話をしていると、たまに突拍子もないことを聞くことがあります。どうしてそうなっちゃうのかがまったくわからないです。誰がいっているんだろう…。
もしかすると、その患者さんのどこかで同じことを友達とかに伝えちゃうんでしょうね…。
骨折とヒビ
「ヒビより骨折のほうが治りが良くていい」
思い起こすと、僕自身もこの仕事に入る前にこれを聞いたことがあるような気がしてきました。でも、これは間違いです。圧倒的にヒビの方が治りが良いです。
イメージしてみよう
例えば、マッチ棒があるとして、それをポキっと完全に折ってしまってから直そうとする場合と、ほんの軽く折り曲げるくらいにしてそれを直そうとする場合。
どちらも接着剤を使い、固まるまでしばらくの時間を待つということをしますが、完全に折っちゃった方が付きが良くないというか、時間が掛るというか、合わせるのに気を使わなきゃいけないというか、いろいろ条件が多くなりますよね。
ヒビの方でしたら、傾いていたりすればそれだけ戻しておけば、割としっかりと直る感じがしませんか。
原理を考えれば簡単
骨折って身体の中で起こることだし、身体のことなので、とっても難しいことと考えすぎてしまいます。もっと単純に考えても大丈夫で、そこら辺にある棒が折れることをイメージしてみてください。大破している場合とヒビくらいの場合と、どちらの方が修理したら使えそうな気がするか、と。
もちろん、モノと人は違うので何もかも当てはめられるわけではありませんが、原則は一緒です。大きく壊れれば治るのに時間がかかり、治すのも大変ということ。
少し話は変わりますが、肉離れをした時のストレッチも同じように考えるといいと思います。
肉離れをしている人にストレッチをした方がいいかとよく聞かれます。同じように考えてみてください。切れてしまったものを引っ張ることが治りを良くするものかどうか。くっつこうとしているところに、離そうという力を掛けることを考えていただければいいと思います。
さいごに
昔から、こういった専門家的には正反対だろうと思える話はたくさんあります。誰かが何処かで情報を取り違えて、それが取り違えられたまま拡散してしまったのだろうなと思います。医学的な知識は、最終的には医療機関、お医者さんのいうことを信じると間違いが少ないです(絶対じゃないかもですが…)。
少なくとも、お友達からの噂話の精度よりは高いです。もう一歩、イメージを膨らませてみるだけでわかることもあるので、噂話、うのみにしない方がいいです。