患者さんが『やりたい』と言った時、僕は『ダメ』とは言いません

昔ほどではないんですけど、僕はもともとそこそこ読書をするタイプでした。
いろんな本を手に取っては「へぇ、そうなんだ」と思うことも多くて、読書は僕にとってちょっとした楽しみでもありました。

そんなある時、当時、世の中でかなり話題になっていた『嫌われる勇気』という本を読みました。
これが、僕とアドラー心理学の最初の出会いです。

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衝撃だった「課題の分離」という考え方

その本を読んで一番衝撃だったのが「課題の分離」という考え方でした。
一言でいえば、

・人の領域に踏み込まない ・自分の領域に踏み込ませない

という、とてもシンプルだけど深い線引きのことです。

この考え方を知ったとき、「なんだこれは…めちゃくちゃ大切な視点じゃないか」と驚いたのを覚えています。

「誰の課題なのか」を考えるだけで見える世界が変わる

課題というのは、「その出来事の責任を最終的に誰が取るのか」という意味に近いものです。
これを考え始めると、日常のいろんな場面の見え方が変わります。

子供が起きなくて遅刻しそうなとき

たとえば、よく例に出されるのがこれです。
子供が朝起きなくて遅刻しそうなとき、親は起こすべきかどうか。

  • 起こさなくて遅刻する
  • 先生に怒られる
  • 授業についていけなくなる

困るのは子供本人なんですよね。
つまりこれは「子供の課題」なんです。

もちろん、親が先生に怒られるケースもあるかもしれませんが、それはまた別の話であって、遅刻という行動自体の責任は子供に返っていきます。

アドバイスは相手の主体性を奪うこともある

そして、誰かが何かをやっている時に、こちらからアドバイスをすること。
これも実は相手の選択肢を狭めたり、主体性を奪ったりすることにつながる場合があります。

正直なところ、あなたもそうだと思うんですけど……
人からあれこれ言われるのって、あんまり好きじゃないですよね?

僕は大嫌いです(笑)

だから僕は極端にいうと、積極的にアドバイスをしないようにしています。
誰かが困っている状況に気づいても、まずは「手助けが必要か」は聞くけど、いきなりのアドバイスはしません。

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施術の現場での「運動していいですか?」問題

本業の施術の現場でも、よくある質問があります。
それが「運動してもいいですか?」というものです。

多くのお医者さんや治療家は、わりと簡単に「ダメです。休んでください」と言います。
中には理由も聞かずに怒り出す人までいます。

僕のスタンス:リスクを説明して、最終判断は本人へ

僕はその場で運動をした場合のリスクを説明したうえで、最終的な選択は本人に任せています。

驚かれることもありますが、喜ばれることの方が多いです。
だって、本当に運動したい人は「ダメ」と言われてもやるんですよね。

だったら、
きちんと今運動をしたらどうなるか、状況判断の方法までを伝えたうえで「本人の責任でやってもらう」方がいい
と僕は思っています。

アスリートには特に必要な感覚

運動選手の場合は、成長とともにこういう選択を迫られる場面がどんどん増えていきます。
だからこそ、少しでも早く「自分で状況判断をする力」を身につけておくことが、結局は大きな武器になると思っています。

自主性を尊重するようになったのは「課題の分離」を知ったから

僕がここまで人の自主性を大切にするようになったのは、まさにアドラーの課題の分離を知ってからです。

・他人の人生を奪わない ・自分の人生も奪わせない

この考え方が、本当にしっくりきたんです。

医学的な正しさだけでは割り切れない場面もある

施術をしていると、医学的には「やめておいた方がいい」ことでも、本人の人生の中での重要性を見た方がいい場合もあって、そう単純に割り切れないケースが出てきます。

  • 明日がただの練習試合なら「休んだほうがいいよ」と言う
  • でも、明日が世界大会の決勝なら「死ぬ気で行け」と言うかもしれない

その人の人生の中で、何がどういう位置づけなのかで全然違ってきます。

人生最後の旅行になるかもしれない人に「行くな、休め」とは僕には言えません。

だから、
リスクをきちんと理解してもらったうえで、最終的な選択は本人に任せる
これが僕の大事にしているスタンスです。

次回予告:でも「自分で決められない人」もいる問題

次の記事では、課題の分離が大切だと分かっていても、実際には自分で決められない人もいるというテーマについて書いていきます。
このテーマもなかなか深いので、きっと面白い内容になると思います。

エッセイ
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ケーセブン整骨院代表の走尾(はしお)です。
大学工学部を出て、コンピュータメーカーでコンピュータのハード設計を11年以上経験してから人の身体をよくする業界に入ってきました。
今の仕事も四捨五入して20年に入ってきて、かなりレベルが高くなってきたと思っています。
コンピュータの業界で培った技術と人の身体で培ってきた技術の相乗効果で、よりよい施術品質を提供しています。

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