少し寒くなってきたせいか、いつの間にか風邪気味で喉が痛い院長の走尾潤です。
前の記事では、「かかとの痛みは本当にシーバー病?」というテーマで記事を書きました。
そこで、この記事では実際にかかとが痛いお子さんが検査ではどんな風に見えて、どんな施術をしたら、どう身体が変わっていき痛みがどうなったのか、実践編ということでリアルな現場を紹介します。一応続編なので、前の記事をお読みになっていない方は是非どうぞ。
どんな感じか
今回紹介するのは、小学4年生男子。
いつの間にか踵(かかと)が痛くなってきたということで来院。痛みの出る部分は、踵の足の裏の部分のど真ん中。足踏みでも痛みが出るということです。アキレス腱の付け根、踵の後ろ側ではなくて裏側です。
ちなみに、前編の記事でシーバー病の痛みの出る場所を紹介していますので、まだご覧になっていない方は是非ご一読を。
足踏みの動き具合を、施術の前後で動画にしましたのでご覧いただきます。
ビフォアアフター
まずは、少しだけ解説です。
前の記事で紹介していますが、「踵の痛みを持つお子さんのほとんどで見られる動き」が足踏み時に指が浮いてしまうというもの。この映像でも施術前には浮く感じが見てとれると思います。施術後ではほぼ消えています。
また、踵に注目をすると施術前には「着地時に踵を含めた足裏全体で着地をしている感じ」があります。これだと、足の衝撃吸収機能は働きません。足踏みと実際に走ったり歩いたりするのは状態が少し違いますが、評価方法としては経験上問題はありません。
施術後には、微妙ではありますがつま先側が先に着地をし、足全体が柔らかく着地をしています。
着地位置に着目しても変化は出ています。施術前は着地位置がバラバラでフラフラしている感じ。施術後は着地位置が安定しています。
特別大きな動きの差ではないので、見慣れないとよくわからないかもしれません。ただ、裏を返すとこのくらいの微妙な動きの違いで、痛みの有無につながることを知っていただけると嬉しいです。
施術風景
では、この変化を引き出した施術を紹介します。やっていることは、小さい医療用のシールを貼っていくだけです。このシールは「物」としては特殊なものではありません。貼る場所がポイントになります。貼る場所を決めるために、貼るごとに必ずテストをします。
押した時の反応具合から貼る場所を決めています。上下左右から押した時、指を下から持ち上げるように押した時、などなど今までの経験から必要なテストを決めています。
結果
動画の施術だけで、お子さんの感覚では痛みは半減しました。この後、更に体幹部の調整をしました。それで痛みは完全消失しています。踵の痛みに、体幹部も関係している証拠ともいえそうです。
これ一度で完全に問題解決というわけにはいかず、翌日以降に痛みが出ることはあります。そこで施術を何度か、大抵は数回すればほぼ完治状態になります。
実は、この例と同じことは年令に関係なく起きます。大人の世代でも踵の痛みを訴える方がいて、足踏みの動きをチェックするとほぼ同じようなことが起きています。特に女性に多いです。
なので、踵が痛ければ何でもかんでもシーバー病というのは、ちょっと違うかなと思っています。
踵の痛み、もしなかなか治らないようでしたらご相談ください。成長期のお子さんでなくても、このようなメカニズムで確認させていただきます。