お子さんがオスグッドやシーバー病などの「成長痛」といわれたら、痛みがとれるまでに時間が掛かったとしてもしょうがないと思ったことはありませんか。「成長痛なんだからしょうがないよね…」みたいにいわれちゃうし。
実は結構な高確率でオスグッドやシーバー病じゃないことがあって、アプローチを変えるとあっけなく改善することがあります。
今回の記事では、中学生の男子サッカー選手が数カ月前から膝に痛みを感じ、オスグッドの診断を受けたケースを取り上げます。いくつかの整形外科や接骨院などの治療施設をめぐっても改善しなかった彼の痛みを、どのように解決したのかを紹介します。
何かしら参考になれば幸いです。
オスグッドの一般的な治療
数カ月前から膝に痛みが出ていたこの選手は、整形外科を始め、いくつかの治療施設を巡りました。診断的にはオスグッドとほぼいわれたそうです。オスグッドは成長痛の一つで、膝下の骨の少し出っ張ったところが痛みます。
受けていた施術はどこもあまり変わらなく一般的なもので、電気にマッサージにテーピングのような感じでした。多少の違いはあると思いますが、業界標準的にもそういう感じです。
大抵の場合、痛みの出ている膝周辺に電気を当ててマッサージします。それ以外の場所についてはふれられないことがほとんどです。
ケーセブン整骨院の初診の流れ
時間がたっても、いくつかの治療院をめぐってもなかなか改善しないということで、ご紹介を頼りにケーセブン整骨院に来院されました。
ケーセブン整骨院では一般的にされることと同じように
- 問診票に記入
- 問診で話を細かく聴く
- 評価と施術
- 全体的な評価
- 部分的な評価と施術(テーピング)
のような手順で進んでいきます。だいたい業界標準的ですね。
【問診】
問診はかなり細かく話を聞くので、多くの治療院さんの倍以上の時間は取っていると思います。受傷した背景や今後どうしていきたいかで施術の方針が変わることがあるからです。
【評価】
評価はとても重要で、まず最初に全身の状態を把握するために足踏みを見せていただきます。オスグッドであれば、特にトラブルの起きている下半身の動き具合を重点的に具合をチェックします。
《今回の症状は足首の硬さが膝に影響か?》
足踏みを見せていただいた結果、足首の硬さというか動きの悪さが膝に負担をかけているように見えました。
歩く、走るなどの動作で、いちいち膝下の患部になっている部分に物理的というか力学的な負担を掛けている感じ。もちろん、成長痛が起こる年代なので、「力学的に大きな負荷」への適応力というか対応力がなく、痛みになっている感じです。
少しわかりにくいかもしれませんが、図を書いてみました。
施術の流れ
自費(健康保険外)での施術が可能な場合には、まず最初に全身の重心バランスを整えます。これが、患部へのアプローチの下準備です。それから患部(膝)にアプローチします。
全身の下準備なしで患部への施術を始めることも可能だし、一般的だとは思います。その場合、全身のバランスの崩れ由来の痛みの原因については対処されずに残ることになり、それがなかなか症状の改善につながらない原因だと考えています。
健康保険適用での施術では、この下準備なしで患部へのアプローチから始まります。
全身の重心バランスを整える
まず最初に全身の動き具合(足踏みで評価)を見ながら、前後左右での重心の狂いをとりました。この下準備で痛みは多少減りはしたものの完全には消えていませんでした。
足首へのアプローチ
そこで、問題となっている足首の周辺にアプローチを変更しました。
足首の動きが悪く、走った時の足の着地時に衝撃が膝の少し下、オスグッドの位置に多く掛かるようになっていました。
そこで、足首の動きをテーピングで改善させると、特に問題のない動きに変化しました。これで、患部への力学的な負担は減少しています。
痛みの消失と足首の動きの影響
足首の動き具合を修正したところ、痛みが消失しました。最初の想定どおり、足首の動きの悪さが膝の動きに負担をかけ、オスグッドの様な症状を引き起こしていたようです。
足首の動きが原因だったため、患部へ直接施術をする施術では症状改善がなかったのは当然といえば当然です。
オスグッドと「成長痛」の誤解
オスグッドは成長痛として黙認されがちですが、実際には今回の事例のように身体の動きが関係している場合もあります。
今回は足首の動きの悪さが原因でしたが、背中の張りが脚の後ろ側に影響して、それが膝の動きの悪さを作って同様の痛みになったケースもあります。適切な評価が必要ですね。
まとめ
本記事では、オスグッドと診断され治療を受けても痛みが改善しなかった中学生の事例を取り上げました。彼は数カ月にわたり膝の痛みに悩まされていました。
ケーセブン整骨院での評価で、足首の動きの悪さが膝への負担となり痛みの原因になっていることが判明。足首へのアプローチを変更したところ、痛みは消失しました。
この事例から、オスグッドは成長痛と決めつけずに身体の歪みや動きを評価することが大切であることがわかります。適切な視点の変更とアプローチによって、成長痛とされがちな症状も劇的に改善できる可能性があります。
オスグッドに限らず、疾患に対する固定観念を取り除き、患者の体全体と症状の関係性を診ることの重要性を示唆する事例だと言えます。
違和感のある痛みが続く場合は、身体の歪みや動きの乱れとの関連を探る視点が重要です。ケーセブン整骨院では丁寧な評価とアプローチで成長痛の改善を支援しています。