【危険?】ストレッチはやり方によっては身体が壊れることがある事例

怪我をしたあと、ほぼ治療が終わった時に多少なりとも違和感が残っていたらどうしますか?

セルフケア的な感じで、ストレッチや軽いトレーニングをする方は多いと思います。

発想としては思いつきやすいしストレッチは神のような技で、誰しもが身体をよくする良いものだと考えていますよね。

この記事では、とある元国体選手が怪我をした後にどうしても違和感が取れず、その原因がセルフケアとしてのストレッチだった事例をお伝えします。

多少難しい話ではありますが、割と大事な話のなので、ぜひ最後までお付き合いください。

ある元国体選手の怪我の話

この記事では、ケーセブン整骨院で何年も前から身体のメンテナンスをさせていただいている選手の事例を紹介します。

この選手は、かつて国体でも活躍した選手でした。現在は引退していますが、スポーツ活動は継続しています。身体のメンテナンスの頻度は落ちていますが、引き続きメンテナンスをさせていただいています。

治療後の違和感とセルフメンテナンス

彼はスポーツ中にちょっとした事故で骨折をしました。病院での治療は終了していますが、なぜか違和感が残る状態でした。まぁ、アスリートの怪我の後あるあるですね。

今でも趣味的にスポーツ活動を継続している彼は、少しでも早く違和感を取り除きたいと、毎日リハビリの一環としてストレッチを行っていました。が、違和感はなかなか消えません。そこで、全体的なチェックをしようということで、来院されました。

チェックと問題の発見

まずは、違和感の分析の前に、身体全体のメンテナンスをしておきます。

身体は全体が連携しあって動いています。部分部分が勝手に動いているわけではなく、それぞれがお互いに連携しあって動いています。そのため、どんな小さな治療でも、まず全体を整えることが重要です。痛みの出ている場所や違和感のある場所を狙っていく前に、全体を整えることが必要なのです。そうしないと、原因不明の痛みが残ることがあります。

全体のメンテナンスが終わりさらに状態を詳しく調べていきます。

違和感を訴える場所には確かに動きの鈍さというか重さがあります。その辺のことを話していると「毎晩ストレッチは丹念にやっているんだけどなぁ…」という言葉が口から出てきました。

何となくピンときて、実際にやってもらったストレッチが見事に動きの鈍さが出ている領域と重なりました。

そこで、その場所というかエリアに対して、身体の動きを良くするような施術をすると違和感は消えました。当たり前といえば当たり前なのですが、ストレッチがそういった場所を作っていたということができそうです。

ストレッチの方法について

少し患者さんの話から外れて、ストレッチの話をしてみたいと思います。

一般的には、ストレッチにはいくつかの方法があります。

まずは静的ストレッチです。これは一般的によく行われているタイプで、筋肉を伸ばしたまま保持する方法です。これがかなり多いです。シェアナンバー1ですね。

次に動的ストレッチです。これは動きを伴うストレッチで、サッカーでのブラジル体操などが代表的です。勢いをつけるストレッチもここに入ります。

そして、PNFストレッチという方法もあります。これは専門的なセラピストが行うもので、驚くほど一気に可動域が広がります。一般的なスポーツ現場で、選手が自ら行っていることはほとんどないかもしれません。

ストレッチ方法特徴
静的ストレッチ筋肉を伸ばしたまま保持する
動的ストレッチ動きを伴う、勢いを使う
PNFストレッチ専門的なセラピストが行う / 可動域が広がる

力の出にくさと瞬間的な影響

PNFストレッチを除いて、静的ストレッチや動的ストレッチを行った後は、一時的に力が出にくくなることがあります。特に静的ストレッチでは、この傾向が強いです。

この変化は、患者自身はほとんど気づけません。ただし、特別な検査を行うと、明確な変化が見られます。敏感な選手の場合、ストレッチ後に身体が少し重く感じることもありますが、感覚の度合いは人によって異なります。

ただ、身体の動きが多少なりとも落ちていることには違いないので、僕がスポーツ現場にトレーナーで入る場合には、試合前や練習前にストレッチの指示は出さないです。その分、ほかにアップメニューをお願いしています。(選手が自分の意志でストレッチをすることは否定しない)

違和感の原因と症状悪化への影響

さて、話は戻ってストレッチで違和感を作り出していたスポーツ選手に戻ります。

彼は骨折治癒の後に違和感が残っていたため、淡々とストレッチを行っていました。結果として、身体の動きが悪くなり、違和感が取れないところにつながります。

最初に違和感があったのか、ストレッチを始めたから違和感が出るようになったのか、そこは「鶏が先か卵が先か」的なところがあってよくわかりません。

いずれにせよ、ストレッチをして身体の状態が悪化していた場所に対して、回復するような施術をしたところ、その後違和感は生じなくなっているので、やはり影響はしていたのでしょう。

基本的にストレッチは静的なものを行っていました。さらに、高いレベルでの競技生活習慣があったために、比較的過度な強度でのストレッチも行っていたようです。

スポーツ競技の中には可動域を多く必要とするものがあります。例えば、バレエやヨガなどがその一例です。そのような競技種目では、身体の動きがあまり良くなくても可動域が必要な場合があります。

なので、そのためのストレッチを否定するものでもありません。

ただ、今回のような事例もあるので、ストレッチをすると、自分の身体はどう変化をするのかを知っておいても損はないと思います。

まとめ

これらの事例からわかるように、必ずしもストレッチは身体良いことばかりではありません。

「ストレッチをすると、何がいいの?」

と質問を投げたときに、

「これこれこうで、実際にこうなって、だからいいんだ!」

と答えられる人はほとんどいないと思います。とにかくいいと習ったのでやる。それも悪くはないのですが、できれば前後での身体の変化などを気にしてみるといいと思います。

個人的にも、こういう事例があることはわかっていますが、ストレッチ自体を否定しているわけではありません。ただ、一般的に行われている方法で試合前や練習前に強い強度でやると、場合によっては思惑と逆の方に身体は進んでしまうことがあるよ、といたいだけです。

では、どんなストレッチならいいのか。それまた機会があれば書いていきたいと思います。実際に力が入るようになるストレッチもありますので、今後期待していただければと思います。

と、思ったよりも長い記事になってしまいました。最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

最後に営業。ケーセブン整骨院はさいたま市大宮区の整骨院です。何かございました、お力になれるよう頑張りますので、ご利用ください。

ある患者さんの場合
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ケーセブン整骨院代表の走尾(はしお)です。
大学工学部を出て、コンピュータメーカーでコンピュータのハード設計を11年以上経験してから人の身体をよくする業界に入ってきました。
今の仕事も四捨五入して20年に入ってきて、かなりレベルが高くなってきたと思っています。
コンピュータの業界で培った技術と人の身体で培ってきた技術の相乗効果で、よりよい施術品質を提供しています。

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