時々記事として書いていることでもあるのですが、どう考えてもおかしい話がお医者様の口から出ても、みんな鵜呑みにし過ぎだなと思うことがあります。先生はえらいから間違ったことはいわないだろうし、いったところでどうにもならないと考えがちですけど、やっぱり知っておいた方がいいことはあります。
で、この記事では、ある患者さんが体験した話と、実際の症状がどう変化していくのかを紹介します。
この話が何となく分かっていただけると、今後お医者さんにかかった時に実際のところはどうなのかとか、場合によってはお医者さんを変えた方がいいかもしれないというのがわかっていただけると思います。別段、特殊なことを紹介しようと思っているわけではないので、読み進めていただければ幸いです。
結論的なことを最初にいってしまえば、もし痛みがあってお医者さんに行って診察をしてもらって、症状にいする理由として次のことをいわれたらひとつだけ質問をしてみましょう。さらに、それで怒るようなお医者さんだったら変えた方がいいかもしれません。
- 歳のせい
- 体重のせい
- 使い過ぎ
ありがちな理由ですよね。たしかに、これらが理由の一つかもしれません。でも、もしあなたの症状が片膝だけだったり、片足首だけだったり、片側だけに出ている症状だったら上のことは直接的に理由にしてはいけないと思うのです。
例えば、左膝が痛くなって病院に行った。「歳のせいですよ」っていわれたらぜひ質問をしてください。
「右膝は若いんでしょうか? 歳をとっていないのでしょうか?」
体重でも同じことです。使い過ぎは場合によってはあるかもしれませんが、特に思い当たる節がない場合には該当する場合もあります。
事例
ちょうど60歳の女性。身体の各所を調べれば、少なからず変形は認められます。これは歳のせいといってもいいと思います。教科書的には40代中頃からは、「変形は普通なもの」みたいな記述があったような気がします。
起きていたこと
で、左膝が痛くて正座ができない。さらに、しゃがんだら立ち上がるのに両手でどこかにつかまらないとできないということでした。
近所の整形外科に行ったところ、「歳のせい」といわれたそうです。普段からジムに行って運動をしている方だったので、それは少し控えろともいわれたそうです。まぁ、直感的にはそうですよね。
でも、歳のせいといわれたら、理屈的には一生思いきり運動はしてはいけないといわれたことと同じです。変形は治らないので。で、考えてみると、先に書いたように「左膝は若いんだろうか…」ということになります。
僕の考えること
若ければ確かに起こらないことなのかもしれませんが、それよりもどうして左膝だけ痛みを出したのかを考えます。すこし考えれば「右膝よりも負担をかけているから」が普通な発想な気がします。右膝よりも左膝に負担が掛かるような動き方をしていれば、当然まず左膝が痛みます。
この左側に余計に負担をかけているかどうかは、チェック方法を持っていれば簡単にわかります。チェック方法は先生方によっていろいろでしょうけど、ケーセブンの場合には
- 足踏みの様子をチェックする
- 力の出方の左右差をチェックする
という方法で左右差をチェックしていきます。これで9割の方は身体の動き具合、働き具合に違いがあって、それが左膝(患部)に過大な負担をかけて障害になっていることがわかります。
治療的には
理由がわかれば、それを取り去る努力が施術となります。
人の身体は壊れていても時間がたてば自己修復していきます。だから、休んだり運動量を減らせば自己修復力が身体を治していきます。が、しかし、こういったケースの場合には、原因を取り除いていないので、運動量を戻した途端にまた再発ということが多いです。理屈的には当たり前ですね。
この患者さんの場合には、膝周りのすべての筋肉の働き具合をチェックしました。すると、ちゃんと動いていない、ちゃんと力が出せない筋肉が見つかりました。そこで、その筋肉たちを働かせる神経に働きかけて、ちゃんと筋力が発揮されるように身体を調整しました。
さらに、左に重心が寄っており、それで特に左脚に体重を多く掛けている感じでしたので、重心をセンター寄せました。ただ、これは時間とともに、また狂ってしまうもので、いまのところ「一度修正したら死ぬまで調整不要」的なレベルでの施術には至っていません。そのため、時々のメンテナンスが必要になります。
初回の施術で、気をつけながらなんとか正座ができました。立ち上がりも、だいぶ楽にできるようになりました。
2回めにいらしたときに、多少元に戻るように痛みがぶり返していました。が、初回前よりはだいぶよく、2回目の施術でも正座ができています。また、立ち上がり動作はかなり楽になっています。
1回、2回の施術でも確認事項をきちっとこなすと、必ず変化していくということです。
まとめ
身体がトラブルを起こすときには、何かしらの原因があります。それを完全に捉えることは難しいのですが、すこしでも近づく必要はあります。
簡単に「歳のせい」とか「体重過多」とか「使いすぎ」というのは、原因通級に対する手抜きだと思います。そんなときには、もうすこし深くみてもらえるように聞いてみることをおすすめします。
結果的に、それがご自身の体を早く楽に回復することにつながるので。
といことで、歳のせいと言われて諦めている方も多いと思いますが、確かに年齢が理由になることもありますが、それだけじゃないことを頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。そして、どうしても気になったら聞いてみてください。
「私の膝は(痛い方だけ)歳をとってしまったんでしょうか?」
と。