長いこと治療院をやっていると不思議な現象に出会うことがあります。
そんな不思議な現象として、「怪我は感染するのか?」と思うようなことが時々起きます。
骨折の人が来ると、立て続けに骨折が来る。ぎっくり腰とか、足首捻挫とか、踵の痛みとか、一時治療院がその傷病専門なんじゃないかと思うような状態になることがあるんですよね。
で、今回はTFCC。TFCCについては、文末に簡単な解説を載せておきますので、興味のある方はご覧ください。
で、TFCCは手首の怪我なのですが、ほぼ同時に二人来院されました。普段は、うち的にはそれほど多くない怪我です。ここ何年かはみていなかったので、久しぶりです。
どんなことをみて、どんなテストと修正をして、どんな結果になったのか、その辺の流れを紹介したいと思います。手首の痛みで悩んでいる方の参考になれば幸いです。
患者さんについて
二人の患者さんの症状的には手首の痛み。ただ諸条件が違うので、前提条件的に紹介しておきます。年齢と参加しているスポーツが違うだけで、その他の条件が似ているので感染しているんじゃないかと思ってしまうわけです。
そんなことはあり得ないんだけど。
項目 | 患者1(30代女性) | 患者2(小学生女性) |
---|---|---|
スポーツ | ボルダリング | サッカー |
主訴 | 手首が痛い、握力が出ない、 特に回旋(手首を内外に捻る)が痛い、 病院でTFCCじゃないかといわれた | 手首が痛い、握力が出ない、 特に回旋(手首を内外に捻る)が痛い、 病院でTFCCじゃないかといわれた |
近日の予定 | 試合が控えている | 大切なセレクションが控えている |
症状について
二人とも手首が痛く、特に捻るのが痛い、と。ボルダリング的には結構致命的で、痛みをこらえればいいという訳でもなく、力が入りにくいのはかなりの問題。
サッカー選手に関していえば、握力や力がうまく出ないのは直接的な問題にはならないけど、サポーターで固めておかないと痛みが出てプレーに影響する状態。
施術について
ケーセブンでの施術はだいたいどんなものでも同じ。
患部に痛みが出るときにはどんな動作をしているのか?それをできたら再現してもらって、力の入り方をテストする。
その結果によってシールを貼って修正する。(身体中にある神経センサーの感度を適正化して、痛みの出にくい動き方に変えていく)
今回のお二人はほとんど同じ工程を踏んでいて、以下の点を狙っていきました。
- 手首の曲げ伸ばし
- 手首の捻り
- 肘の曲げ伸ばし、特にビールジョッキを持つときに浮き上がる筋肉
- 握手状態で目一杯握ってもらって握力
施術結果
どちらも痛みの具合がペインスケールで10→2~3になって初回の施術を終了しました。
一度の施術で痛みの具合がそこまで減るということは、実際に起きていたことはTFCC損傷じゃなかったんじゃないかなと思います。TFCCってなかなか治らないといわれているので、そんな簡単じゃないですよね。
でも、手首に強めの痛みが出ればTFCCだといわれることは多々あります。「TFCCは時間がかかるから…」といわれ、痛みがなかなか減らずに通院回数が増えたとしても、「そういうもんだ」みたいな雰囲気になることもあるみたいです。
その後
その後の施術頻度回数については多少の違いがありましたが、一週間でペインスケールでいえば1~2までに改善し、ほぼ問題ない状態で試合やセレクションにのぞめました。
その結果はまだ聞こえてきていないですけど、とりあえずは良かったです。
まとめ
治りの悪い怪我の方が来院されると、いろいろと緊張をします。患者さんは早く改善→現場復帰をしたいわけで、こちらにはそれなりの無言の圧力がかかってくるわけです。
でも、大抵はそんなに大変な怪我じゃないことが多くて、そんなにお待たせすることなく現場復帰してもらっています。
今回もそう。
やはり、僕自身も人間なので、痛みの強いときにつらいのはわかります。患者さんの立場になれば「早く治せよ」という気持ちが芽生えるのは当たり前で、それをプレッシャーに感じないで済むように日々技術のアップデートを心掛けています。
今回も多分TFCCじゃなくて、TFCC風の怪我だったのだと思います。で、早く改善してもらえてよかったです。
治療を受けていても長く続いていて不安な方、セカンドオピニオン的にみせていただくことも可能なので、お近くでしたらアクセスしてみてください。
参考情報; TFCCについて (by AI)
TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手首の重要な構造の一つです。手首の安定性を保つ役割を果たし、手首の動きを可能にします。しかし、急な捻じりや衝撃により損傷することがあります。TFCC損傷は、手首や腕の痛み、握力の減少、手首の動きの制限などの症状を引き起こす可能性があります。治療は損傷の程度によりますが、リハビリテーションや手術が必要な場合もあります。