肋骨の骨折は比較的多い骨折です。
スキー、スノーボードで転んでストックや自分の肘があばらに入って折れるとか、人によってはくしゃみや咳でも折れることがあります。
交通事故とか大きな外力での肋骨の骨折は、かなり重篤になる場合が多く、接骨院とかで扱うことはまずないので、この記事ではスポーツや日常生活の中で折れてしまった、軽めの場合について書いていきます。
「肋骨」と「肋骨の骨折」ってどんなもの?
肋骨は、左右12本ずつあります。そのうち10本は、背骨からでて胸まで来てつながります(関節)。下側の2本は短く、背骨から生えているだけな感じ。前側まではきません。以下、模型の写真です。下の2本は良く見えていません。
多くの肋骨骨折は、上から7番目とか8番目くらいに起こります。かご状にできた肋骨の一番太い部分で、外から来たものにぶつかりやすいためです。たとえば、転んだ時に自分の肘が入っちゃうとか、スキーヤーだったらストックが入っちゃうとか、そういう感じ。
あと、肋骨(上の10本)の前のほうは、軟骨と呼ばれる柔らかめの骨です。あなたが思い描く、白い硬いものではないです。で、この軟骨と硬い骨の境目がはがれるように折れることが多いです。
うちの模型でも同じように素材が変わるところなので折れてしまいました…。まさにこういう感じです。まぁ、こんなにずれちゃうことはふつうはないです。
治癒までの時間
折れている程度によって変わってきます。ただ、接骨院で扱うような軽めの場合は、だいたい2週間くらいで痛みが治まります。完全にポキッと折れていたり、複数本、複数個所折れているような場合はこの限りではありません。
捻挫や肉離れなどに比べ、割と正確に2週間くらいで楽になってきます。急激に良くなってくることが多いですね。
教科書的な治療方法
現実的に軽い肋骨骨折に対してはあまりできることがなく、放置に近いです。
教科書的には、さらしのようなもので少しきつめに胴体を巻きます。肋骨骨折用のサポーターみたいなものもあります。
これは、呼吸によって微妙に起こる肋骨の動きを防ぐためです。この微妙な動きによって、痛みが出たり治りが遅くなるので、少しでも制限したいと考えます。
実際問題、この治療方法は呼吸による肋骨の動きを抑えるので、患者さんは結構苦しく不快です。治療なので仕方ないといえば仕方ないです。
逆の発想なケーセブン
よく考えてみると、呼吸による折れている部分の動きが最小限になればいいということです。
教科書的な方法でも、呼吸による動きを完全になくすことはできません。なので苦しい思いをしていても、笑ったり、咳やくしゃみをした際の痛みを抑えることはできません。
なので、どうせ動きが出て痛みが出るのなら、別の方法で動きを最小限にすれば日常生活の苦しさや不快感からは解放されることになります。
そこで、ケーセブン整骨院では、呼吸による肋骨の動きを均一化するようにします。
少しわかりにくいですが、人が呼吸したときの肋骨全体の動きを見ていると、動き具合にばらつきがあります。イメージ的には場所によって硬さが違うので、息を吸ったときに大きく膨らむところとそうでもないところがあるということ。
そこで、この膨らみ具合を均等にしてあげれば、患部の動きが実質的に減ることが多いです。特に、呼吸では横隔膜という身体の中にある膜状の筋肉を使いますが、これをより動くようにしてあげると肋骨の動きは減ってきます。
この呼吸での肋骨の膨らみ具合を調整することで、実質的に固定をするのと同じかそれ以上に患部への動きを減らすことができます。日常生活は楽になるし、治癒期間も多少は短くなると考えています。
まとめ
肋骨骨折に対して治療としてできることはあまりないです。だいたい2週間程度で治るので、その間痛みを少しでも出ないようにすることくらいが精一杯です。
それでも、その間の日常生活を少しでも楽に、快適にできることはあると思っています。一般的だからといって、息が苦しいような固定をするのは患者さんにとっては苦痛でしかないです。
避けられるものは避ける。そんな施術を提供しています。
余談
オートバイに乗るときに、いざというときの安全のためにプロテクタというものが用意されています。オートバイでの事故の時に、やはり肘が自分の肋骨にあたり骨折することがあるということで、胸と肋骨をガードするプロテクタというものも売られています。
結構簡単に折れちゃうものです。