医療用の赤外線ランプが壊れたので修理した。 修理のプロセスは人の治療と同じです。

気がついたらあっという間に寒くなりましたね。

歳を取ってしまって時間が過ぎるのが速いのか、急に気候が変わったのかわかりませんが、とにかく急に寒くなりました。 まぁ、多分前者でしょう。

寒くなってくると活躍するのが赤外線ランプです。 多くの治療院さんでは、治療の一環として赤外線ランプを使っていると思います。 ただ、ケーセブン整骨院では、暖房器具のように使っています。

医療用の赤外線ランプが壊れたので修理した。 修理のプロセスは人の治療と同じです

さて、今年も始動しようと思ってスイッチを入れてみました。 ところがランプがつきません。

つかないまま放っておくとただの邪魔なものになってしまうので、使えるようにする必要があります。 今までも治療室で何かが故障すると、出来る範囲で自分で修理をしています。個人経営なんてそんなもんです。

ここで、「故障した機械を直すなんてすごいな」と思う方もいらっしゃると思います。 が、しかし、修理する人間からすると機械を修理するのも人間を修理(治療)するのも大きな違いはありません。 基本的に手順としては同じです。 対象物が機械なのか人間なのかそのぐらいの違いでしかありません。

ということで、今回赤外線ランプを修理してみたので、どうして人の治療とプロセスが一緒なのか、自分の頭の中を紹介いたします。

修理(治療)手順

何かしらトラブルを起こしたものを解決する場合、 解決のための手順はどんなものでも大きな違いはありません。 機械でも人間でも同じです。 もちろん実作業は違いますが、プロセスは同じなのです。

  1. 起きている現象 (症状)をなるべく正確に把握する
  2. 原因は何なのかの仮説を立てる
  3. 仮説が正しいのか検証・評価をする
  4. 評価の結果に基づき必要な処置をする
  5. 最初に起きたら症状が改善されたかを確認する

大雑把にリストしてみるとこんな感じです。 患者さんがいらした時に、「問診をして検査をして施術をしてどんな具合かを確認する」そういうことですね。

修理の実際

では、今回の赤外線ランプの修理をこのプロセスに照らし合わせてみていきましょう。

起きている現象 (症状)をなるべく正確に把握する

今回赤外線ランプに起きたことは「ランプがつかない」ということです。

赤外線治療器は、それほど機能がありません。電球のオン/オフだけです。で、起きたことはとてもシンプル。 ただ点かないだけです。

人間だったら、何かトラブルを起こした人(患者さん)が来院されます。そこで、最初に問診票に記入をしてもらい、問診票に基づく面談をします。 このプロセスにあたるでしょう。

原因は何なのか仮説を立てる

原因に対しての仮説を立てるには過去の経験値が役立ちます。 なので初心者ほど何が起こったのかイメージすることが難しくなります。 これはどんなものでも一緒ですね。

若い駆け出しの先生よりは、そこそこ経験値のある年齢が上の先生の方がこの部分は有利です

で、 赤外線ランプがつかなかった時には、今までの経験からチェックしていく項目はこんな感じです。

  1. ソケットへの取り付けが緩んでいないか
  2. 電源コードは正しくコンセントに差し込まれているか
  3. 電球は切れていないか

大体この辺までが、よく起こることです。なので、この手順に従ってチェックをしていきます。

人間だったら、問診の結果や、治療室に入ってくるときの立ち居振る舞いなどから何が起こっているのかを想定し検査項目を考えます。

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仮説が正しいのか評価をする

まず最初にソケットへの取り付けが緩んでいないかをみます。 電球を持って、緩んでいないか左右に軽く回してみるだけです。 今回は特に問題ありませんでした。

次に電源コードを確認します。 確認ついでにスイッチのオンオフもしてみます。 スイッチの接触不良が起きている時には、たまについたり消えたり不安定な動きをします。 これも特に問題に なるような感じではありませんでした。

次に電球は切れていないかを確認します。多少見にくいのですが目視でやります。

ランプを治療器に取り付けたままでも出来るのですが、多少見にくいので治療器からランプを外して見てみます。 外してみると、 ランプは切れていました。 なので単純に交換すれば治るだろうと思いました。 が、しかし、この時に気づいたのが、ソケットに入る部分が黒くなっていて、焦げているような溶けているような、そんな感じがありました。

焼けてる?

そこでソケットの状態も確認しようと思い目視してみると、同じような感じ(悪い感じ)になっています。 さらにこの時に気づきましたが、ソケット自体にひびが入っていました。

ひびの入ったソケット

赤外線ランプはかなりの熱を出すので、ソケットは熱に強い陶器で出来ているようです。20年も使えば割れてしまうのは仕方がないのでしょう。

人間でいえば検査の過程です。 力を入れたり抜いたりとか、上を向いたり下を向いたりとか、レントゲンやMRIなどもこのプロセスになります。

評価の結果に基づき必要な処置をする

赤外線ランプがつかない原因が、ソケットの破損だとわかりました。

ソケット自体を修理できるのか交換するのか考えますが、さすがに人間の治療院でソケットの修理はできないので、交換部品を発注することにしました。 現実的にソケット自体の寿命だと思うので、それ自体を修理する人はまずいないでしょうね。

治療器に書かれているメーカーに電話をして、部品を送ってもらいました。

新しいソケットはきれい

交換部品が届いたら、部品の交換作業です。人間への治療に当てはめると、この場合は手術にあたります。

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最初に起きたら症状が改善されたか確認する

赤外線ランプ治療器は、いってしまえば懐中電灯と同じです。 なので、それほど複雑な構造をしているわけではなく、まずは分解します。

修理するテーブル
ソケットの裏側
なにもついていない状態

ソケットを新しいものに交換してもう1度組み直し。実際にもそれほど大した作業ではありませんでした。

新しいソケットを付けたところ

そして点灯のためのスイッチを入れます。ここは少し緊張するところで、変な失敗をしているとショートしたり大きな問題になる可能性があります。 とはいえ、とても簡単な構造だったのでそういった問題は起こらないだろうと作業始めていました。

それでも慎重にまずは電源コードをコンセントに入れ、スイッチを入れてみます。

で、ちゃんとつきました。終了です。

点灯。修理完了。

まとめ

人の身体を治療するときでも、故障したものを修理するときでも、考え方は一緒です。 だからといって必ずどんなものでも修理できるわけではありませんが、簡単なものならだいたい修理できます。

もちろん、チャレンジを繰り返し、経験を積んでいくことでいろんなものが修理できるようになるとは思います。 まぁ、リスクや時間の関係で今回の赤外線ランプくらいまでが、自分で修理する範囲な気はします。

ケーセブン整骨院では、赤外線ランプの効果云々で使っているわけでもなくて、ただの暖房器具的な意味合いが強いです。 それでも、治療院としては大切なものなので、こうやってメンテしながらまだまだ使っていきます。

こんな感じで、皆さんの身体の施術もしています。 どんな方にも「なんとなくワンパターンな施術」を行っているわけではなく、必ず丁寧な問診と検査を行いながら施術を進めていきます

なかなか改善しない、もっときちっとみてほしい、そんな症状に出会った時にご利用頂けましたら幸いです。

エッセイ
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ケーセブン整骨院代表の走尾(はしお)です。
大学工学部を出て、コンピュータメーカーでコンピュータのハード設計を11年以上経験してから人の身体をよくする業界に入ってきました。
今の仕事も四捨五入して20年に入ってきて、かなりレベルが高くなってきたと思っています。
コンピュータの業界で培った技術と人の身体で培ってきた技術の相乗効果で、よりよい施術品質を提供しています。

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