ほとんど全員が持っている現象(症状)なのに、医療側を含めてほとんどの人が知らないことがあります。それは、多くの身体が年中壊れてしまう方の共通点で「いつも同じ側に故障が起きる」というもの。
壊れるのはいつも右なのよね…
みたいな。こういったケースは割と多いです。
ケーセブン整骨院では、問診時に時間を掛けてよくお話を聞くようにしています。ある時いらした少しご年輩女性の患者さんとの会話の中に、多くの方にも知っていただきたい話があったので、シェアいたします。

怪我が治るのには時間がかかる
お話を聞いていくと、訴えていることはこんな感じでした。
膝に水がたまる→医者に抜いてもらう→とっても軽く痛みもなくなる→歩いたほうがいいとあえて歩く→数日で膝に水がたまる(振出しに戻る)
という無限ループに陥っていて、何とかしてほしいということでした。
膝に水がたまる理由
膝に水がたまるというのは、膝の中の何かが壊れているということを示しています。身体はそれを治そうとして、患部に栄養分を含んだ水を出します。そのため、水が出ているうちは何かが壊れているということなんです。
実際に水がたまると、膝は重くなるし動きにくくなるし痛みを感じることもあります。日常生活がしにくくなるということ。そのため、お医者さんにもよりますが、水を抜いて日常生活をしやすくしようとします。
すると、抜いた分だけ軽くなるし動きやすくなるし痛みも減ります。今回いらした方も、そういうことですね。
すぐに再発する理由
ここで気が付いてほしいのですが、壊れているから水が出ているわけです。この水を抜いて動きやすくなったり痛みが減っても壊れていたものが治ったわけではないということです。壊れたところが修復される(治る)には時間がかかります。指とか切ってもそうですよね。すぐには治りません。
だから、この状態でたくさん歩くことは、より患部に負担を掛け、治るものも治らなくなるということです。そしてまた水がたまります。
そこで、
- 怪我が治るには時間がかかる
- 最低限休まなければいけない期間がある
ということを理解してほしいです。
この話をすると、多くの方に「動かないと動けなくなる」と反論されます。
確かに、普段から動かなければ動きにくくなっていくのは事実です。でも、時と場合があるということ。身体が壊れているときには治るまで時間がかかるので、その間は安静にしましょうということ。
もちろん、スポーツ選手とかが「壊れていてもやらなきゃいけない」という場面があるのは理解しています。それは特殊な例で、壊れているときには安静にするというのがセオリーです。
同じ症状を繰り返すのには理由がある
左右どちらか同じほうばかり故障するのは、重心の偏りが理由です。
この方は、お話を聞いていくと20代からちょくちょく膝を痛めています。それがすべて左側。ここに、改善させるヒントがあります。
ケーセブン整骨院では患者さまの身体を理解するために「足踏み」を見ます。今回も見てみると、左側に身体が傾くというか、寄っていきます。足踏み時の重心が左に寄る動きが見えていました。
これが、左膝ばかりが壊れる原因で、9割くらいがこのパターンで身体を壊していきます。
人によってですが、身体には右か左のどちらかに動きにくいほうがあります。これは検出テストがあって、検出できます。そして、動きにくい方に重心が寄り身体の負担も大きくなります。そしてそちら半身が壊れやすいということです。
そのため、治療的には足踏み(歩行)時の偏りがなくなるように身体を調整することが、今回であれば膝の痛みの治療につながります。一般的には膝の治療で身体の重心コントロールが必要とか理解しにくいとは思いますが、今までの経験上、ほぼ間違いないです。
これはその人の身体の癖といえば癖です。でも、一度壊れたから癖になっているのではなく、そもそもその人ごとに持っている特性というほうが正確な表現です。
まとめ
不運にも身体が壊れてしまうことはあります。その時に、「壊れたものが治るには時間がかかるから、その間は安静にする」というセオリーがあります。人と場合によっては守れない場合があるとは思いますが、単純に身体を治すという視点だけで見ればセオリー通りに行くのが最も早く安全に回復します。
さらに、身体の同じ側だけ壊れてしまう場合、それは患部の壊れ癖というよりも身体の特性による場合があります。治療的には患部の回復を目指すだけでなく、この特性を修正しておくことも大事になります。患部だけでなくほかのところ(体幹部とか)へのアプローチも受け入れていただくとありがたいです。
世の中いろいろな先生がいらっしゃいますが、ケーセブンでは壊れた局所の修復だけを目指すのではなく、そこに負担を掛けないようにするため身体全体にアプローチをしています。