浮き指とはどういう現象で、どうしてなるのか、その対処方法など。

先日、お客さまより「浮き指っていったい何なんだ?」という類の質問をいただきました。健康雑誌などで特集されることもあり、なんとなく気になったのだそうです。

そこで、この記事では、「浮き指」についてケーセブンで考えていることと、どのように取り組むのかを紹介します。

浮き指とはなんなのか

浮き指に関しては正式に定義づけられたものはないと思います。一般的には、立っている状態で足を見たときに、足の指が反って見えきちんと床についていない状態だと思います。浮いているように見えるので、そう呼ばれるようになったのでしょう。

足の指の働きは重要です。そのため、浮き指状態では指がきちんと働くことができず、いろいろなトラブルの原因になりえるので問題だといわれるのだと思います。

ケーセブンでは浮き指を問題視していない

誤解を恐れずに書くと、ケーセブンでは浮き指自体を問題だとは思っていません

ネット上で浮き指について検索を掛けると、ほぼ共通した意見が見られます。それは

「浮き指がある人は重心が後ろ側にズレている」

という表現です。文章的には多少の違いはあれども、重心の後方偏移が起きているとの意見が多いです。

ケーセブンでは、浮き指は重心の後方偏移があったときに現れる現象でしかないと考えています。つまりは、施術で改善するのは浮き指ではなく、重心の後方偏移と考えています。

浮き指が起こるメカニズムを考えてみよう

ここで、簡単な実験があります。今この記事を読んでいただいているあなたにやっていただきたいです。

やることは、その場で立っていただいて、後ろの方に重心を寄せていってほしいのです。ただそれだけ。やってみると当たり前なのですが、足の指は浮く方向に動きます。これが実際に起きていることだと考えています。参考までに、前の方に倒れこむようにしていけば、足の指はしっかりと床に押し付けられるようになるでしょう。

指の筋力が衰えて、(重力に逆らい)上方向に浮いていくって、物理学的には考えにくいです。実際に多くの患者さんの身体をみせていただくと、重心は後ろ側に多少なりとも寄る傾向があります。

筋肉の働き的なことを見ると、重心を前側に寄せる腹筋系の「働き」が落ちている方が多く、後ろ側に寄せる背筋系の「働き」はちゃんとしている方が多いです。このため、重心は多くの方で後ろに寄りやすく、そのため足の指が浮きやすくなると考えるのが自然だと思っています。

ここ、ほぼ誤解されるところなので少しだけ補足的に書きます。
数行上に書いた「働き」が落ちているは、衰えているとか筋力が落ちているとは違います。
イメージ的には「さぼっている」です。衰えていたり、筋力が落ちていたら、トレーニングで回復させるには数ヶ月掛かり、治療期間も長引くことになりますね。

重心の後方偏移は何が悪いのか

重心が後ろ側に寄っていくと、足の長さ20数cmのうち、踵に近い側で体重の多くを支えるようになります。すると、土踏まずやアーチと呼ばれる、歩いたときや走ったときに衝撃を吸収する機能がうまく働かなくなります。

すると、踵をはじめ、膝や腰などに衝撃が伝わり、故障の原因となりえます。

治療をする側からすると、重心の後方偏移は良くないものだと認識しています。一般的に「腹筋を鍛えろ!」とよく聞くのはそういうことです。

ケーセブンでは、筋力不足ではなく働きが落ちているいるだけと考えているので、「腹筋を鍛えろ!」とは滅多にいいません。

ケーセブンでの取り組み

ケーセブンでは、浮き指自体が悪いものだと考えておらず、重心が後ろに寄ってしまったことを表す現象でしかないと思っています。そこで、施術的には重心を前方に引き出すことを最優先にします。

具体的には、腹筋群や身体の前方に力を出す筋肉群の神経系に働きかけるように小さい貼りものをします。場合によってはテーピングもします。これで即効的に筋肉の働きが回復し重心が前方に引き出されます

さらに、足の指の握る機能が落ちている場合もあるので、この神経系のテストもして働き具合を回復させます。あくまでも筋力不足ではないので、タオルギャザーなどの筋トレ系のことはいたしません。

まとめ

何度も書いてしまいますが、浮き指はそれ自体が悪いというが、何かの原因になっていることはほとんどないと考えています。他に不具合があることを教えてくれる現象だと考えています。

日頃、浮き指に限らずどんな症状でも全身の状態を確認してから施術を始めていますが、多くの方の腹筋系の働きは落ち、重心が後ろに下がるという傾向が確認できます。

全般的には、たぶん現代の人の身体は重心が後ろに下がりやすくなっているのだと思います。これを前方に引き出してあげると、様々な症状が早くに軽減できると思います。あまり目立った減少にとらわれすぎない方がいいように感じることが多いです。

この原理から、お子様の踵の痛みやシーバー病と呼ばれるものをよく見られます。重心の前方引き出しだけでも即効的に痛みが軽減できるので、この考え方は大きくは間違っていないと考えています。

ということで、お客様から頂いた「浮き指っていったい何なんだ?」という質問への回答になれば幸いです。

エッセイ
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ケーセブン整骨院代表の走尾(はしお)です。
大学工学部を出て、コンピュータメーカーでコンピュータのハード設計を11年以上経験してから人の身体をよくする業界に入ってきました。
今の仕事も四捨五入して20年に入ってきて、かなりレベルが高くなってきたと思っています。
コンピュータの業界で培った技術と人の身体で培ってきた技術の相乗効果で、よりよい施術品質を提供しています。

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