新型コロナウイルスの流行により、リモートワークがかなり一般的になりました。自宅での仕事による運動不足や不適切な作業環境が原因で、腰痛に悩む人が増えているようです。
この記事では、リモートワークによる腰痛を抱える方が来院されたので、何を見て何を検査し、どのような施術を行ない、どんな結果になったのかをご紹介します。最終的には、全く想像もしないところに原因がありました。リモートワークは単なるきっかけに過ぎなかった、そんな話です。
患者情報
- 患者: 20代半ばのOL
- 生活習慣: リモートワークによる座りがちな生活
- 来院経緯: 当院を初めて利用、知人の紹介による来院
問診
問診はケーセブン整骨院で施術をする上で、とても大切な作業です。数分で終わってしまうような作業ではありません。ここで、思いのたけをぶつけてください。
【主訴】腰痛。特に多少左寄りに痛みを感じる 【症状】動くときに痛みが増す。痛みは一週間前から始まっている 【参考情報】生理痛は比較的重い
問診では、直接的な問題だけでなく、周辺の要素についても詳しく伺います。直接的な要素とは、痛みの位置やその痛みが引き起こされる動作などを指します。
一方、周辺の要素とは、日常生活、仕事環境、身体に起きた過去の問題、好き嫌い、運動の有無や強度、人生の経験、親子関係などを指します。これらは一見、今回のトラブルや患部とは関係なさそうに見えますが、これらの要素を知ることで、身体にどのような負担がかかってきたのかを推測することが可能になります。
検査
ケーセブン整骨院では検査を非常に重要視しています。検査なしで何らかの施術を行うことはまず皆無に近いです。痛い場所だけを聞いて、いきなりマッサージをはじめちゃうとか、そんなことはまずありません。
とはいえ、検査は簡単です。それほど大変なことはないと思います。
検査内容
最初は、身体全体の様子の確認。足踏みを踏んでいただきます。
その結果、身体の右側(右半身)の弱化が見られました。身体に何か痛みが出ている時には、およそ9割の確率で、痛みの出ている側と弱化の起きている側は同じになります。
今回は反対側。だから何ってことではないのですが、参考情報になります。これだけでは腰痛とは関係なさそうですが、でも必要な情報になります。
次に前屈後屈をしてもらうと、後ろに反ったとき(後屈)に痛みが出ます。これは、腹筋群の弱化を示唆します。さらに生理痛が比較的重めということで腹筋群の弱化はまず間違いないと思います。こう考えると、腰痛と生理痛って両方に苦しんでいる人っていそうですよね。
さらに検査をしてみると、左側の広背筋の弱化も確認されました。これは比較的多いトラブルで、腰痛を訴える方が痛みの場所について左右に偏っていると主張する時には、十中八九広背筋のトラブルです。
検査結果から導き出される仮説
これらの情報から、腹筋系の弱化がメインの理由で、さらには左側の広背筋の弱化も合わさり、今回の腰痛が起きているという仮説を立てました。
施術内容
施術としては、立った状態での前から押す、後から押す方ときの身体の反応の修正と広背筋の修正をしました。これにより、後ろに反った時の痛みが軽減されました。
施術結果
マッサージしたりストレッチしたりとかではなく、立った状態での施術で、強く後屈したときにわずかな痛みが残るものの、全体的には主訴の腰痛は大幅に改善されました。
今後の計画
今後の痛みの様子を見ながら定期的なメンテナンスの必要性を検討します。また、テーピングを用いたセルフケアも提案しました。
その他のサポート
生理痛の軽減にも役立つと考え、体幹の働きを良くするカットテープを購入していただきました。
リモートワークによる腰痛は、正しい姿勢と適切な休憩が重要です。
続編、数日たって痛みがぶり返して再来院…、
思わぬ展開となりました。続編に続きます。今回はここまでです。