
どんな仕事であってもすべての人が使う道具があります。それは一体何でしょうか?
答えは、ご自身の身体です。
もしかしたらまったく身体を使わない仕事というのもあるのかもしれません。が、僕は知りません。寝たまま仕事をするような感じでしょうか。ケーセブンに来る人でも、そういった人は今のところいません。なので多分間違ってはいないと思います。
物としての道具を使う人でも、結局は自分で道具を使っている。つまり究極的には自分の身体が道具なんだと考えています。
で、先日美容師さんがいらしたので、話を聞くところからお帰りになるところまでをざ~っと紹介します。
美容師さんからのSOS。朝起きたら親指が痛くてハサミが握れない…
朝起きたら身体のどこかが痛かった。僕にもそんな経験はあります。
この日、ある美容師さんが起きたら、右手の親指が異常に痛かったと来院されました。今までにこんなことはなくて、多少の痛みがあってもしばらくすれば大丈夫。が、この日は「ヤバイ!」と思ったそうです。
美容師さんなので、利き手親指が痛いのは死活問題。その日は仕事になりません。
多くの人が、痛みはしばらくしたら治るかもしれないと来院までに時間が掛かるのですが、この美容師さんはすぐにきました。それくらいやばい感じだったのでしょう。
問診→痛みのある場所
その日の施術希望は右手の親指。施術効果を少しでも上げるためには、少しでも多くの情報が欲しいので、患部以外のこともいろいろと聞いていきます。すると、右の肩には違和感があるのと、腰の右側もよく痛くなって接骨院に行くことがある、と。全部の症状が右側です。
これって、以前にも紹介した身体に左右差があるということ。これはとても大切な情報です。
何はともあれ、この左右差を修正しておかないと、身体の右半身に負担を与え続け、トラブルの解消に時間と手間がかかります。
左右差を修正した後、最終的には親指の痛みがあるかないかというより、仕事の時のように肘を上げた状態でハサミの操作が問題なくできる所を目指します。
施術
まずは、左右差のチェックと修正。やっぱり右半身に力が入りにくい状態。なので、これを修正しました。
特に右腕周りに何もしていなく、ただ左右差を修正しただけで、問題の右手親指の痛みがかなり解消しました。
さらに、仕事でのフォームをチェック。そして残る痛みを消すために、右肩から指先までを調整します。
大雑把にいえば、
- 肩甲骨周りがきちんと動けるように調整
- 肘を上げて腕を内旋できるように調整
- ハサミ操作を調整
のような感じで、最後に全体像のチェックです。
これで、痛みや違和感はほぼなくなった感じです。すぐに仕事に行けそうだと。
まとめ
一般的に、仕事がらみの痛みに関しては使いすぎといわれることが多いです。ただ場合によっては利き腕と反対側に痛みが出ていることがあって、そんな場合は理に適っていないですよね。
なので、使いすぎには違いないかもしれないけれども、どうして使い過ぎになるのかを考える必要がありそうです。
今回のケースでは身体の右側が動きにくい人が、そこを無理に使ったから起きていたと考えられます。実際に左右差を調整して痛みがかなり軽減しました。その上で肩から指までをコンディショニングしていけば痛みが消えます。今回は実際に消えました。
痛みがある時に必ずしも痛い所を治療するわけではないという典型例でしょう。
身体は全体で一つの動きを作っていきます。なので全体の様子を見つつ幅広く情報を集め一つずつ怪しいものを潰して行く、そんなやり方が大事だなと痛感します。
ということで最後までお読みいただきましてありがとうございます。またほかの記事もご覧ください。
でわ。