怪我をしたあと、「大体は改善したけどどうしても違和感が残る」という人に相談を受けることがあります。
うちで施術をしても同じようなことになる場合がありますね。
そんなときに、大抵の人が想定もしないけど「自分で簡単にできて、そこそこ効果的なこと」を紹介します。
たいていのお宅にある物を使います。もしなくて買うとしても、街中で売っていて数百円で買えます。
それで痛みが減らせたり、日常生活が楽になるので、ぜひ試してみてほしいです。
今現在、障害後の仕上げ段階でこの方法を使ってご自身でのセルフケアをされている方の事例を紹介します。
患者情報
- 50代女性
- 右膝から骨盤にかけて強い痛みがあり、杖を突いて歩いていた
- 幾つか病院や治療院に行ったけど、あまり変わらない
施術
ケーセブンでは、どんな怪我や障害の方でも小さな和紙のシールを身体に貼ることで身体の動きを変え、患部に負担が掛かりにくいように身体を変化させます。
患部への負担が減れば、痛みはその場で減少し、改善も加速するという仕組み。
今回の事例の患者さんは、数回の施術で杖を突かずに普通に歩けるようになりました。が、しかし…
最終局面
痛みはほぼなくなり、日常生活は普通に送れるようになりました。ご家族で旅行にも行けたし、杖はつかなくなっています。
が、微妙に残る症状があって「膝に張り付き感がある」というもの。痛みではないけど、変な違和感があってこれを改善したいということです。
一般的に患者さんは、壊れる前の状態に戻したいという希望を持っています。大けがだとそれも叶わないこともありますが、今回はこちら側もそこまでもっていきたいと思っています。
なので、何かしらの対策をしていきます。
対策
膝の張り付き感に対してこちらから提供する施術は、キネシオテーピング。
テーピングを施すことで、訴えの「膝周りに残る張り付き感」は、なくなるとのこと。ただ、施術から数日すると再度張り付き感が出てきてしまいます。
そこで、家でも自分でできる改善のための処置を伝授しました。
それは、「ニベア」などのクリームを塗ること。
ニベアと書きましたが、クリームなら何でもいいです。すでにお持ちのものがあればそれでOK。
ケーセブンでは以下の理由でニベアを勧めています。
- 昔からの実績がある商品である
- ドラッグストアならどこでも手に入る
- 安価
- 薄く塗ればそれ程べたつかない
ケーセブンにはアスリートのお客様が多く、彼らが遠征時にもっていくのを忘れても手に入りやすいものという感じでニベアを使っています。以前、ニベアをこういう場面でも使っていることをtwitterでツイートしたところ、フランスのニベアから「いいね」が付きました。ちょっと嬉しかったです。
原理
厳密なところはともかく、理解しやすさを優先にイメージ的なことを話します。
皮膚は体表面全体を覆うものです。
身体全体を覆うものが硬かったら動きにくいなっていうのは、誰しも理解できることだと思います。小さい服や伸び縮みしない服を着たら動きにくくなりますよね。それと同じことが皮膚の状態で引き起こされます。
だから、クリームでまずは皮膚を動きやすい良い状態にしましょうということ。厳密には多少違うこともあるかもしれませんが、そう理解していただくと分かりやすいと思います。
とても手軽なので、リハビリがなかなか進まない人に試してみることをお勧めしたいです。
一般的に、接骨院に行くと電気を掛けて何かしら患部に塗ってマッサージしますよね。これで、患部が軽くなると感じる方は多いと思います。多分、この原理。主にマッサージが効いているわけじゃなくて皮膚にクリームをのせたことが効いているのだと思います。
事例
ニベアを身体に薄く塗ることで身体の動きがスムースになるので、アスリートには日常的に使うことを勧めています。怪我の予防にもなり、コスパいい手法だと思っています。
練習前の着替えの時に軽く薄く広い範囲にササっと塗っておくだけで、多少動きが軽くなります。
この方法は話だけだとなかなか信じてもらえないので、簡単な実験をして身体の変化を体験してもらいます。
すると、ほぼ全員に近い確率で、変化に驚きます。「あっ!」って感じの声が漏れます。
とはいえ、残念ながら現実的に実行する人は多くはない。体感があってもなかなか習慣にはならないですね…。
ただ、痛みや違和感を持っている人は実行率が高いです。困っている人ほど使ってくれています。
実施方法
ニベアを塗ると身体が変わることを体験していただくと、当然のごとくいろいろと質問が飛んできます。塗り方を簡単に解説しておきます。
いつ塗るか
身体が軽くなったり、痛みが軽くなったらいいのはいつかを考えてみましょう。多分ほとんどの人が寝ている間ではなく何かをしている時だと思います。
ということは、寝る前に塗ることに意味はあると思いますか?お風呂上りに塗ることに意味はあると思いますか?
美容のためにこの手のものを塗るとしたら、お風呂上がりの身体が温まって湿っている時にやるのは有効かもしれません。ただ今回の話は身体を動きやすくするものなので、寝る前にやることにあまり意味はないです。
身体を使う前にやっておくといいと思うので、そのように勧めています。
どこに塗るか
多くの人は痛いところに塗ればいいと考えます。
ただ現実的にはそれでは足りません。なので「上下二関節」とかそんな感じで覚えるといいと思います。
上下二関節というのは、例えば膝の痛みに対して塗るのであれば、上は股関節で下は足首になります。要は脚一本塗ってしまえという感じです。
個人的には気になるところだけでなく手の届く範囲全部塗ってしまうのが良いと思います。だって、運動する時に身体全体が柔らかく軽く動くのは決して悪いことではないですよね。どこになるのか考える方がおかしいような気もしなくはないです。
どうやって塗るか
特に難しいことはなくて、患部周辺に軽く薄く塗るだけ。できれば、なるべく広い範囲で塗ることをお勧めしたい。
原理でも解説しましたが、広い範囲になればなるほど身体は軽く動くようになる。患部だけで良くても、身体中が影響していることもあるので、なるべく広めに塗ることをお勧めします。
塗るときには、ホントササっと塗ればよくて、マッサージ的なことをする必要はないです。僕が自分で例えばふくらはぎに塗るとしたら、かかる時間はほんの数秒です。
クリーム自体は、沢山塗る必要はなくて本当に薄くギリギリの量でいいです。
まとめ
ハンドクリームのようなどこの家でもあるようなものは治療に使えると思っていない人がほとんど ただ、身体を動きやすくして患部に負担が掛からないようにするという考え方のもとで利用するとそれなりに効果が出る。 軽く動くようになるので、ほとんどの人が驚く 怪我の後リハビリ中で、もっと効果を出したいという方は試してみることをお勧めします。 もちろん、身体が軽く動くようになるので、少しでもパフォーマンスが欲しいアスリートにもおすすめ。 誰でも比較的簡単にできることで、それ以上の効果があると思っています。 パフォーマンスを求めるアスリートにも効果的だと考えているこの方法、まずは試してみてください。 そうそう、最初に足踏みして重さを感じ取ってもらっておいて、次に片脚だけ薄くニベアして、もう一度足踏みしてみてください。 特に足の指にまで塗るとさらに効果的です たぶん、左右に違いを感じることと思います。 クリームで、日常生活やスポーツの場面で身体の動きが軽くなる感覚を、ぜひ体験してみてください!