日本人の4人に1人が悩んでいるという「腰痛」。整形外科、接骨院、鍼、整体、カイロなどの治療院には、かなり多くの患者さんが腰痛で通院されています。
そんなポピュラーな腰痛ですが、場合によってはそれら治療院では治らない場合があるので注意が必要です。長いこと通っているのに全然変わらない、そんなときには別のアプローチを考えるべきなのかもしれません。

慢性腰痛
腰が痛くなって、病院に行った。レントゲンを撮ったけれど特に問題が見つからない。そんな話よく聞きますよね。
あとは、骨に変形があるとか、少し歪んでいたり曲がっていたりとか。現在、この手の画像診断では、本当にその変形なり歪みが痛みの原因かどうかを正確に判定できないといわれています。
さらに、腰痛になって3カ月以上たったものは、慢性腰痛と分類されます。この慢性腰痛は原因の特定が難しかったのですが、最近では研究が進んできているようです。
そこで、原因としてクローズアップされてきているのが「心」です。心が腰痛の原因となる、心因性腰痛と呼ばれるものが注目を浴びてきています。
ここしばらくの間に、NHKでも慢性腰痛や心理的アプローチに関する番組が放送されていました。
クローズアップ現代 腰痛2800万人時代 ~変わる”常識”~
心系の治療?
この3カ月以上症状が続く慢性腰痛の治療方法として最初に選択されるべきものが認知行動療法と呼ばれる心系の治療なのだそうです。
もし心が原因だとしたら、マッサージとか電気とか効かないですよね。まぁ、「そういう治療を受けているからいいんだ」、と心にアプローチされ効果が出ていればいいのですが、原理的には物理的な療法では効かないということになりそうです。
こういった場合で、本当にその腰痛を治したいのであれば、漫然と同じ治療を続けるのは得策ではありません。一度、心療内科のような心系からのアプローチをしてみることが必要かもしれないです。
心因性腰痛の場合、患者さんご本人には、その意識・認識はほとんどないそうです。「心かもよ」といわれても、いわれた患者さんご本人には、心当たりも納得もできないことがほとんどのようです。それはそれでやっかいです。患者さん自体が、あり得ないって心系の治療を受けようとしないわけですから。
実際に、過去にケーセブン整骨院でも何人かの心因性腰痛じゃないかなという症状をお持ちの方がいらしたことがあります。症状の現れ方や施術効果が不安定で、しかも検査ではほとんど問題が出ません。いらっしゃるときにゆっくりゆっくり歩いてこられ、帰りにはすたすたと帰る。次回に様子の聞き取りをすると、まったく何も変わらないといわれる。あんなにすたすた歩いていたのに…、という感じです。
なので、「ご本人的には全く考えの及ばないことであっても、心が原因になる可能性がある」ということをまず知ってるだけでもいいと思います。
最後に、上で紹介した番組に関連する書籍と、心因性の腰痛で苦しまれた作家さんの腰痛治療記を二つご紹介しておきます。一つ目は完全に治り、二つ目はある意味放置に近い状態で終わっています。とにかく原因がわからない腰痛で長いこと悩まれている方がいらっしゃいましたら、図書館で借りてでも読んでみるといいかと思います。
ただ悩んでいても何も変わりません。悩みが強い方は、別のアプローチに一歩を踏み出してみてください。