以前、「足首捻挫の基礎知識、治るまでの期間や処置やリハビリなど。」という捻挫のまとめ的な記事を書きました。非常に多くの方に見ていただいていて、捻挫をされ心配になっている方が多いんだなぁと実感しました。

今回は続編として、そういった方々のために医療的なことよりも周辺知識についてご紹介します。少し耳に痛い話かもしれませんが、基礎知識として知っておいていただければ幸いです。
整骨院、接骨院での健康保険での話
捻挫のような怪我は、整骨院・接骨院の業務分野です。なので、原則的には健康保険の利用ができます。ただし、利用できない場合や施術もあります。
まず、健康保険は「怪我を治す」ためのもので、治った後の予防的な施術のためには使用できません。健康保険で予防的な施術をしてくれる整骨院さんもあるかもしれませんが、健康保険のルール的にはアウトです。
そのため、予防的な施術は正式には自由診療での施術となります。
予防的な施術で効果を出すためには、多くの場合患部だけでなく広い範囲をみます。そこは治療院さんごとの考え方ややり方があるので一概にはいえませんが、ケーセブン整骨院の場合には重心位置の狂いなどをみせていただいています。(局所的な施術では予防効果は低い)
健康保険で予防的な施術を提供するのは、ケーセブン整骨院的にはルール的にも施術の大変さからもできないです。
少しでも速く治す、再受傷しにくくするためには
繰り返しになりますが、健康保険は「怪我を治す」ためのもので、原則的には局所的な治療になります。捻挫で靭帯が傷ついていれば、その傷ついた場所のみを施術対象にします。
ただ、少しでも速く治したい場合には、患部以外の場所への施術も同時に行うことが望ましいです。
例えば、右足首を捻挫しているとして、患者さんの身体全体をよく観察すると、90%くらいの方が右側に重心が偏っています。つまり、患部により体重をかけてしまっているということ。これでは治りが遅くても仕方がないです。
重心位置をコントロールする施術で、患部側に偏っている重心を正しい場所に調整すれば、患部への負担が減り、治りが速くなります。
よく、「『もう治っている』と先生に言われたのに痛いんだ」という患者さんがいらっしゃいます。そんなときにはほぼこの重心の偏りからくる患部への負担が原因です。
(原因がはっきりしない痛みがある場合もこのケースがほとんど)
また、予防に関しても同じメカニズムです。重心の偏りは怪我をしたから起こるのではなく、誰にでも個々の特性としての偏りがあります。今まで、多くの患者さんをみてきましたが、普段から重心がど真ん中にあるという方は一人もいません。多少は左右どちらかに偏っています。
そのため、定期的に左右の重心の偏りを調整しておけば、怪我のリスクはかなり減ります。つまりは予防になります。
あなたの場合にはどうしたらいいのか
少しでも速く治すためや予防的な施術には健康保険は使えずに、費用・時間が掛かります。そのため、すべての方に「自由診療で全身の調整をした方がいいですよ」とは言えません。
そこで、どんな人が健康保険内での施術を選択すればいいのか、逆に自由診療での施術を選択すべきかです。
それぞれに条件は違うので一概には言えませんが、沢山の方をみている経験上、以下のように考えるといいと思います。
健康保険内で施術すればいい人
「とにかくスポーツは頑張ること、一生懸命やることが大事で、結果は大事だけど最優先ではない」と思う方は健康保険内がいいと思います。
自由診療で施術をすべき人
「将来プロになりたい、スポーツで進学・就職したい、とにかく強くなりたい、全国大会に出たい、世界に出たい」という方は、怪我は絶対にしたくないはずなので健康保険の枠を超えてある程度定期的に身体をメンテナンスしてケガ予防をしていくべきだと思います。
最後に
怪我は不運でしてしまうもの。ただ、ある程度のリスク管理は出来ます。そして、回復についてもある程度の幅を持って選択ができます。
理想論だけいえば、日頃からきちっとメンテナンスをし、不運にも怪我をしてしまったときには最も早く治る手法を取るべきです。ただ、現実的には健康保険という制度もあるので、ご自身の状況に応じて自由に使い分けていただけます。
これからスポーツの秋、悔いの残らないように活動ができたらいいですね。